2019-01-01から1年間の記事一覧

ひらひら蝶に舞う

朝カーラジオで鶴瓶が 「買わない理由はないやろ」と言っていた ハロウィンジャンボ宝くじのコマーシャルだ 私は心の中で「そうだ そうだ」 だが私はくいしばる歯とハンドルを強く握った そう私の家は貧しく宝くじを買う余裕もない 私の給料では到底買えるも…

足長おじさん

俺は普段温厚だと言われる だが身を守るためには仕方のない事だった こいつは痛みと苦しみからなのか 悶絶している そりぁ 勝手に入ったことは悪かったと思う 窓が開いていたよ またとないチャンスだからな 存分に甘い汁を吸う良い機会だ 俺には絶対の自信が…

恐れ坂

私は今まで 誰にも話していない秘密がある それを初めて口外する 何故今まで口外しなかったのか? 大した意味はない ただ 思い出したくはなかった 話してはいけないようも感じた ひとつ断っておかなければならないことがある この恐ろしい体験を知ってしまう…

ブルドック

島々が眼下に広がる 緩やかな風が頬に触れ 微かな潮の香りが僕の心を穏やかにさせる 雲が少しあるが 申し分のない天候だ 目を閉じ ゆっくりと深呼吸する 「さあ いくぞ」と自分自身に話しかけた 草原を一気に駆け降りる 勢いが増すにつれ風が僕の体を持ち上…

マシュマ浪漫

私はこの地に引き越してもう一年になる周りの環境が一変したが 私の生活のリズムは変わっていない 朝早くから庭で体操をし、この地の空気の香りにも馴れ 思いっきり深呼吸をした 私の足に纏わりついているのは愛犬ウイリーだウイリーもまた日課のように私に…

お!ムレ 2!

俺の先輩はクレーマーだ普段の仕事は完璧にこなす其れゆえ 他のサービス業界の従業員の仕事ぶりを 逐一気にするのである いつも俺達二人は一台の車で得意先を 一日中まわっている 休憩でコンビニエンスストアに行くときも ご飯を食べに行くときも 絶えず文句…

それ逆!

私は同僚と話をしながら仕事をしていた 先輩に怒られた 手ぇ動かさんと 口動かせ! と…

怨魂(えんこん)

私は突然目を覚ました 蒸し暑い夜 暑さのせいか 私の体は汗でぐっしょり濡れている エアコンをつけるため 開いていた窓を閉めようとした 私は闇夜に稜線がくっきり浮かび上がる丹波富士を眺め 【今日は風が動かない そりゃあ 暑いはずだ】と呟いた私は新しい…

闇に消えた花火

私の家は少し高台にあり眺めは良い方だ環境も良く閑静な住宅 そして近所の人達も良い人 ばかりだ 少し歩けばスーパー、銀行、バス停、公園、診療場等があり 比較的便利な場所である 長年住んでいるところで 閑静な住宅地だが空き巣の被害などの話は聞いたこ…

絶望の果てに…part2

「何故 紙は私を見捨てたのですか!」 私は嘆き悲しんだ この扉は地獄の門だったのだ もう出ることは赦されないのかと 僕はロダンの【考える人】のように 考えた ほとばしるそれは 私にはどうしても許されなかった 私の家は勿論のこと 他でも経験が一度もな…

絶望の果てに…

私は朝いつものように出勤の支度をしていた 通勤に使う車が歩いて20分程の場所においてあるため 私は電動自転車でその駐車場まで行っている 「それじゃあ 行ってくるよ」といつも一声かけている 「いってらっしゃい あなた」と妻は笑顔で見送ってくれる 「お…

踏み出す勇気

私のこれからの人生の扉 このドアの先にはどんな世界が広がっているのだろうか ワクワク感半分 ドキドキ感半分 この二つが混ざり愛 ひとつの物が出来上がる そう レッドアイのように あの琥珀色の弾けるビールまっ赤に染まる情熱のトマトジュース この二つが…